日本経済は中国など新興国の追い上げによって、明治から今日まで続いた世界の“製造業立国”の地位が揺らぎつつあります。
明治維新以来の“変革の時代”に差し掛かっているといえるでしょう。
今後の日本経済にとって、大きな問題は次の2つです。
1つは、“人口減”です。
「生産年齢人口」(15才~64才)という“労働力”であり“消費者”でもある人口が既にピークアウトし、
2005年の8,500万人から、2045年(今から35年後)には5,300万人になり、実に日本の国土から3,200万人が減るという事実は深刻です。
今後、百貨店の売り上げはもとより、スーパー、食品、日用品、製造、住宅、車、旅行等々、どの業界も必ず、“売上減”になるということです。
大手企業はこの対策として、すべての業種で「集約化」を進めています。卸売業の代表的な業種の食品卸は、菱食、国分を中心に再編され、
薬品卸は40年前の350社から4社体制に、小売業では百貨店は4社体制に、スーパー、コンビニ、家電量販店も3~4社体制になると予測されています。
製造業においても、日本の自動車の純国産メーカーはトヨタとホンダの実質2社になり、
電機メーカーもパナソニックはパナソニック電工、三洋電機を100%子会社にし、他社は分野別に再編成を進めています。
もう一つは、「グローバル化」です。
食品製造業では、キリンHDは国内では協和発酵等、海外では豪デアリー、サンミゲルビール等を買収し、
つい最近もシンガポールで第一位の飲料会社に846億円の出資を決めたばかりです。
製薬業では武田薬品が米国のミレニアムを買収し、第一三共がインド最大の製薬メーカーを買収しています。
建材業の日本板硝子は英国のピルキントンを買収し、実に売り上げの80%以上が海外マーケットです。
その上、グローバル化をより進展させるために社長ですら外国人が就任しています。
建機のコマツや自動車の日産の売上高は、既に日本よりも中国が上回っています。
このような状況の中で、われわれ日本企業の経営者がどのような「経営戦略」をとっていくべきなのか。
それを、皆様方と一緒に考えていきたいと思っています。
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