Bulletin magazine 会報誌/理事長メッセージ





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理事長メッセージ

河合弘之 さくら共同法律事務所所長・弁護士

「こんな時だからこそ、コンプライアンス」

 やや明かりが見えてきたとはいいながら、この大不況。JBCの皆さんも必死の頑張りをしておられると思う。 こういうときは、売上げ維持、コストカットに懸命で、ついコンプライアンス(法令遵守)を忘れがちだ。「経営維持が最優先、コンプラなんて後回し」というわけだ。
 しかし、これは大間違い。こんな時こそコンプライアンスが大事だ。
 世間にはストレスが大きくたまっているから、他人のコンプライアンス違反を見つけたら、それをはけ口にして、大たたきをされる恐れが強いからだ。
 例えば、コストカットの最大のものは人員削減だが、従業員を解雇するときには細心の注意が必要だ。解雇には、労災治療中の解雇禁止、予告手当の支払等々、いろいろな法的制限がある。これに違反したり、正当な理由のない解雇をしたりすると、直ちに「労働審判」の申し立てをされる恐れが強い。現に、労働紛争は激増している。
 労働関係以外でも、コンプライアンス違反はこの時期に多く出ている。特に各業の業法(宅地建物取引業法、労働者派遣法、介護保険法、食品衛生法など)の違反が多いように見える。注意が肝腎だ。
 こんな時だからこそ、コンプライアンスを徹底し、どこからも付け入られる隙のない経営を心掛けていただきたい。